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2023 / 10 / 19  09:44

コムギ突然変異体を利用して、閉花受粉型コムギ変異体を作成する試みを紹介した論文がBreeding Science誌に掲載されました

コムギ突然変異体を利用して、閉花受粉型コムギ変異体を作成する試みを紹介した論文がBreeding Science誌に掲載されました

閉花受粉は、ムギ類において病原菌感染のリスクを下げる形質の一つとして注目されています。オオムギでは、AP2転写因子遺伝子であるcly1が原因遺伝子として同定されていますが、六倍体コムギでは、cly1変異による閉花受粉は見出されていません。私たちは、突然変異体パネルを利用して、コムギAP2相同遺伝子の変異の同定を進めました。AおよびDゲノムのAP2変異体は開花しましたが、その鱗被のサイズは野生型に比べて著しく小さく、オオムギのcly1変異体に類似していました。同祖ゲノム上のAP2相同遺伝子の変異アレルを組み合わせることにより、閉鎖受粉型コムギが作出される可能性が示されました。

 

この研究は、三重大学、農研機構との共同研究で、2023103日にBreeding Scienceに掲載されました。

 

書誌事項

Nanape AB, Haine HM, Sugimoto K, Kobayashi F, Oono Y, Handa H, Komatsuda T, Kakeda K (2023) Mutations within the miR172 target site of wheat AP2 homoeologs regulate lodicule size and rachis internode length. 

 

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